こなつが赤ちゃんのころの思い出③ 生まれたて

はにわじゃなくて土偶でした。

生まれたての顔

出産前、産まれた瞬間の赤ちゃんがいかにグロテスクかという話を、数人から聞いていました。中には、あまりのシワシワっぷりにひいてしまって、産後しばらく可愛く思えなかったという人も…。

3歳で妹が生まれた兄は、産まれたばかりの私をみて、「怖い!怖い!早く帰ろう!」と祖母の手を強く引っ張ったそうです。

「びっくりしないでね」と数人から言われていたので、ある程度心構えができていて、それほど驚かずにすんだものの、やっぱり結構な衝撃でした。

「新生児」や「赤ちゃん」のイメージとは、かけ離れています。

まず、赤黒い。そして、ところどころベッタリ白い。そして、圧縮されていてシワシワ。

そのあたりは想像がついていたけど、聞いてなかったことが数個。

髪がめっちゃ生えていました。黒々と。

岩海苔はりつけたみたいだ…と分娩台で思いました。

あと手足が、鳥ガラのように細かった。

数十分前、隣の分娩室から運ばれた新生児を横目で見ていたのですが、こなつとほぼ同じで、毛量と、サーモンパッチの有無、股になにかついているだけの差でした。

全員、生まれたてはああなのだ、と思いました。

でも私は、「岩海苔を頭につけた赤黒い顔が土偶のようなシワシワのなにか」が、すごく可愛かった。人生で一番可愛いものに出会ったと思いました。

「可愛いと思えない」ではなく、「可愛いと思える」ことがむしろ、不思議でした。

いろんな不安だったことがぶっとんで、全部、可愛かった。

出産後数時間、分娩台でぽつんと寝かされるのですが、その間、「ああ、世の中には、可愛いって2種類あるんだなあ。」とぼんやり思いました。

小動物的な可愛さの要素がないものを、こんなにも、こんなにも、可愛いって思うなんて。

なるほど、これが愛おしいということか…。

することもなくただ横たわり、湧き上がる思いを淡々と受け止めたり流したりしていると、なぜかふと、「自分の子供が(容姿的に)可愛くなかったら、育てられない。捨てるかも。」というトンデモ発言をして周りをざわつかせた、超美人の高校の同級生のことを思い出しました。

もし今もそう思っているなら、意外と大丈夫かもよ、と教えてあげたいなあと思いました(連絡先も知らないけれど)。

たった今、めっちゃくちゃ痛い思いをして産んだはずなのに、宇宙人が急にやってきたような気分になりました。

あの愛おしい存在は、いったい、どこからきたんだろう。

不思議な感覚でした。

数日もすれば、すっかり、もう一つの意味でも可愛い赤ちゃんになったこなつ。

数週間すれば、鳥ガラの手足はむちむちになりました。

こなつよ、君は、生まれたときから、可愛い、可愛い、可愛い赤ちゃんでした。

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